コインチェック(coincheck)、ネム(XEM,NEM)大流出 〜 行政処分編 〜

2018年3月8日の午前、金融庁は仮想通貨交換業者7社に対して行政処分をすることを発表しました。

今年に入って1月、コインチェク(coincheck)のネム(XEM)流出事件を受け金融庁は国内の仮想通貨交換業者に対して立ち入り捜査を行っています。

そもそもみなし業者って何？

今年1月にネム流出事件が発生したコインチェック(coincheck)、みなし業者という部類の仮想通貨交換業者として業務を行っていました。

そのみなし業者について、そもそもどういった業者なのか。

昨年2017年4月改正資金決済法で仮想通貨交換所は登録制になりました、法整備が交換業者ができるより後になってしまったんですね。

そのため、特例としてすでに業務を行っていた交換業者をみなし業者として登録業者の申請を行っている間の業務を認めていました。

などを含めた15社がみなし業者として業務を行っていました。

金融庁が行政処分を発表

◯ ビットステーション
100%株主の経営企画部長が顧客の仮想通貨を私的に流用していたとして業務停止命令に止まらず刑事告発へ。

◯ FSHO
取引時確認や疑わしい取引の届出の要否の判断を行っていない、取引時確認を検証する態勢が整備されていないだけでなく社員に対して研修を行っていなかったため業務停止。

これらの取引所は問答無用で業務停止処分となりました。

◯ テックビューロ
皆さんご存知のZaif(ザイフ)を運営するテックビューロ社。
システム障害や不正出金事案、不正取引事案など多くの問題が発生。しかし、経営陣はその根本原因分析が不十分で適切な再発防止策を講じていなかった。顧客への情報開示についても不適切な状況となっているため業務改善命令。

◯ GMOコイン
仮想通貨交換業の業容が急激に拡大する最中、システム障害事案が頻発していたが根本原因分析は不十分で、適切な再発防止策が講じられていないことが確認されたため業務改善命令。

◯ バイクリメンツ
内部監査の未実施など、法令等遵守や適正な業務運営を確保するための実効性ある経営管理態勢が不十分で、利用者財産の不適切な分別管理や帳簿書類の一部未作成なども認められたため業務改善命令。

◯ ミスターエクスチェンジ
取り扱う通貨が豊富かつ業容が拡大する最中、内部監査の未実施で法令等遵守や適正な業務運営を確保するための実効性ある経営管理態勢が不十分である、また利用者財産の不適切な管理実態なども認められたので業務改善命令。

そして今回、金融庁が本腰を入れる大きな要因ともなった仮想通貨交換業者

◯ コインチェック
取り扱う仮想通貨が抱えるリスクについて十分な評価がされていなかった。

マネーローンダリングやテロ資金供与リスクなど各種リスクに応じた適切な内部管理態勢を整備していなかったこと。

昨年の秋以降に業容が急激に拡大する最中、業容拡大に応じた各種内部管理態勢及び内部監査態勢の整備・強化を行っていないことが判明。

これは取締役会において顧客保護とリスク管理を経営上の最重要課題と位置付けておらず、経営陣の顧客保護の認識が不十分なまま業容拡大を優先させたことによるものであると認められ、また監査役も機能を発揮していないなど、経営管理態勢及び内部管理態勢等に重大な問題が認められたため業務改善命令。

(※画像は読売ONLINE参照)

おわりに

金融庁が本腰を入れたため今回の行政処分を受けて、各交換所はそれぞれが抱える問題を強制的に改善させられることとなりました。

どの交換所も、爆発的に増え続ける利益や新規口座開設者に流されてしまい、本来重点をおくべきである利用者の資産管理を怠ってしまったことで今回のような大事件へと発展してしまいました。

ハッカーからすれば恰好の的だったわけですね、取り扱う資金は膨大でセキュリティはガバガバ、狙わないわけがありません。

しかし、今回の件を受けて金融庁が動き出したことにより様々な交換所が業務改善、そして営業するべきでない取引所やできない取引所は撤退しました。

これにより各仮想通貨交換業者は、資産管理、サーバーの強度、取引の確認や取り締まり、サポート体制が改善されてより安全で快適に仮想通貨を取引することができるのではないでしょうか。

メディアなどのイメージでは悪い印象しか与えかねませんが、それでも今回の事件まで多くの利用者が取引を行っていたことは事実です。

何も知らないでとりあえず取引していた時代から、利用者1人1人が仮想通貨について正しい知識をつけてしっかりとした資産管理を行う時代への転換期だと僕は考えています。

少しポジティブよりな考え方ですが、コインチェックは返金を行いましたし金融庁は指導を強化しています。少なくとも以前よりは良くなると考えてはいいのではないでしょうか。

今後の仮想通貨業界の動きに注目です、口座開設はお金もかかりませんし興味のある方は通貨を買わず開設だけでもしておくとすぐに取引を始められます。