2018年4月6日16時、MONEX(マネックスグループ)とコインチェック(coincheck)による
『コインチェック(coincheck)買収について』
の記者会見が行われました。
記者会見では、コインチェックの今後の展望についてなどの説明があり、買収までの経緯や今後のことについて記者からの質疑応答が行われました。

記者会見動画
※1時間ほどの動画がYouTubeのプレイヤーで再生されます、携帯端末の方はWi-Fiに繋がっているかなどを確認して通信制限に気をつけてご覧ください
記者会見まとめを読む前に
買収について簡単にまとめているので、まずはこちらの記事をご覧ください。
記者会見の内容まとめ
- 2ヶ月後を目処にコインチェックの全サービス再開を目指す
- 金融庁の登録申請をクリアする
- ネム(XEM)の取り扱いは今後も継続予定
- コインチェックは将来的にIPO(新規株式公開)を目指している
- 和田社長と大塚COOは取締役を退任、執行役員として残留
- 和田氏が再び社長になる可能性がある
- マネックスクリプトバンクでの仮想通貨参入を予定していたが取り下げ
コインチェックという名前はそのままで、マネックスに買収されることで業務改善命令を乗り越え金融庁の登録申請をクリアする予定とのこと。
元々マネックスグループは、マネックスクリプトバンクという名前で仮想通貨交換業に参入予定でしたがコインチェック買収によりこれを取り下げました。
質疑応答まとめ
※一部省略していますことをご了承ください
Q:経営統合のシナジー(相乗効果)について、顧客の特性について(FXの顧客や仮想通貨の顧客)客層が違うがどう考えているか
A:オーバーラップは当然あるが、別の顧客基盤となる。投資のマーケットは完全に別物ではなく、仮想通貨市場は一つのマーケットの中で特に重要な資産クラスであると考えており、新しい方針やトレーディング機会を提供するにあたり、古いけれども伝統的な堅牢なセキュリティを持つ証券会社とのシナジーは大きい。
Q:買収決定した経緯について
A:3年前から自分自身もコインチェックユーザーだった。事件直後に『何かできることはないか』と連絡。しばらくコミュニケーションはなかったが、3月半ば頃にコインチェックの方から打診があり、一気に協議内容が進んだ。
Q:買収金額が36億円と報じられたが、収益力や資産内容からすると低くはないのか
A:見た目の数字が小さ目に見えるだけで、大きなリスク(訴訟リスクの増加等)が潜んでいたり、コインチェックの収益力が小さいということではない。
Q:和田社長は、この成長産業を現段階で手放すことになるが、躊躇や迷いはなかったか
A:顧客保護と事業継続を最優先としている、マネックス買収により強固な経営体制ができるのであれば望ましいこと。躊躇などは一切ない。
Q:コインチェックの買収は良い買い物だったか、また会社名はそのまま残るのか
A:コインチェックはネームバリューが大きいため、そのまま残る。買い物という認識ではなく結婚のようなイメージで、ファミリーとして共に新しい金融機関としてサービスを提供できることに対して大変エキサイトしている。そういった意味で、素晴らしい出会いであったと考えている。
Q:マネックス社が仮想通貨市場の将来をどのように捉え、どのように変化すると考えて買収を考えたのか
A:仮想通貨に関しては、大変重要な資産クラスになっていく。
自分自身、3年前からコインチェックを利用して個人的に仮想通貨を所有していた。
昨年から勉強のため秋葉原でグラフィックボードを購入して自作PCでマイニングを始めてみたりするなど、大変興味を持ってきた。
この規模まで成長した仮想通貨はこれからも拡大する新しい資産クラスである。
真正性を証明し盗難されないようにするという観点であれば、仮想通貨は金よりも軽く持ち運びなどに優れており、資産所有の手段としてもさらにメジャーになる可能性がある。暗号資産の未来は大変明るい。
Q:仮想通貨交換業登録が2ヶ月程度ということに根拠はあるのか
A:2ヶ月はあくまで目標、業務改善は進んでいて2ヶ月以内に登録できると予想している。
Q:仮想通貨ビジネスの将来像について
A:仮想通貨交換業は中核にある中で、新しい支払い手段があり総合的な金融グループを作っていく。新しい資産クラスの構築を加速的に進めていきたい。
Q:コインチェックを高く評価しているが、和田社長の解任理由について
A:和田さんに関しては、大変高く評価しており敬意を持っている。不正流出事件後に金融庁とコミュニケーションを取ってきた中で、しっかりとした経営管理体制について社会的要請がある中、我々のであれば推進していくに相応しい人材でサポートできる。一緒になって、力を合わせて前進していきたい。
Q:経営統合のシナジーについてさらに少し詳しく知りたい
A:(松本氏発言):30年間に渡り、マーケット系の金融業界に携わってきた。国際情勢などを含め既存の金融の世界でも、案外最近まで大きなリスクを内包しながら動いてきた。我々はさまざまな形で改善してきた経緯・経験があり、コインチェックや仮想通貨業界に対して社会に認知される形での発展に寄与できると考えている。
Q:執行役員を外れる選択肢はあったのか、どのような部分で注力する予定か
A:事故を起こしてしまったことに対して、一定の責任を感じている。定められた干渉範囲は開発に関することであり、創業当初よりエンジニアとしてプロダクトやサービス開発に携わってきた。なので社内の誰よりも理解があり、仮想通貨に関する知見を持っていると自負しているので、執行役員として与えられた責務を果たしていきたい。
Q:コインチェックの現在の社員数と、今後新規で従業員を雇用する可能性はあるか
A:社員数は104名、今後社員を増やす目処については、積極採用でより良いサービスを提供していきたい。
Q:新社長(勝屋氏)の抱負
A:まずはお客さまの信用を取り戻す。第二に信用してもらった上で、信頼を受ける企業にしていく。

おわりに
今回の記者会見の内容から、マネックスグループが今まで培ってきた知識と経験をコインチェックの為に活かし、仮想通貨とコインチェックの発展に注力していくという形になりそうですね。
松本氏自身も仮想通貨に興味を持ち、コインチェックで口座開設・実際に取引を行ったり自作PCを組みマイニングをするなど、仮想通貨には前向きの様子。
何よりも松本氏が『暗号通貨(仮想通貨)の未来は明るい』と発言するほど。
マネックスグループとコインチェックが経営統合することで生じるシナジーに、今後のコインチェックの再建と発展が期待できそうですね。
モナコインが上場している数少ない国内取引所。初心者でも安心して長期投資が可能なコイン積立サービスがあり、手数料が安めでZaif独自のトークンが取引可能。
◯bitFlyer(ビットフライヤー)
国内最大級の取引高で、TVCMでもおなじみ。セキュリティレベルが世界トップクラスの国内取引所。
◯BitMEX(ビットメックス)
取引量が非常に多く、取り扱い通貨が12種類と非常に豊富。日本語に対応していて、仮想通貨のFX取引ができる海外取引所。